すいません。
今更のようになってしまいましたが、一か月前の講習会について回想したいと思います。
忙しさにかまけて、ブログ更新を怠っていましたが…スルーする勇気もなかったので、頑張って書きます(笑)
10月3、4日の二日間に渡って、D-J Ranchの持田裕之さんによるにホースマンシップの講習会を行ないました。
半日を二日間という日程でしたが、競走馬関係の仕事に就いている方から、趣味として乗馬をしている方…様々な方面から20名近くの方が参加して下さいました。
持田さんには、今回は新馬調教のデモンストレーションをメインに、講習会を進めていただきました。
新馬調教の相手は…照宝(北海道和種・牝・二歳)です。
北海道和種は、どさんこという愛称で親しまれている品種です。
照宝はいわゆる白毛なのですが、どさんこの毛色で言うと「佐目毛(さめげ)」という色で、目も青色です。
さて、新馬調教は、まず鞍を付けるための馴化から始まりました。
リードロープ、フラッグ、ブルーシート、ウィップ等を使って、動く必要のないものであったり、静止している事が安全で快適だということを馬に教えていきます。
この動かないということは、手入れ、洗馬、馬装…と、様々なことに繋がってくる事を前提にしています。
そして、馴化と平行して行なっていったのが、指示に対する動きの事です。
ホルターにかかるプレッシャーに対しての動きを求めたり、前肢、後肢がそれぞれ指示に対してバランスよく動くよう求めていきます。
特に、馬の意識、思考に大きい役割を持つ後肢に対しては、重点的に求めていきました。
背中の重みに対する反応もみます。
鞍付けでのポイントになる、腹帯の馴化もします。
照宝さん…うちとしては、もっと新馬らしいアグレッシブさを出してほしかったんですが、もともとのマイペースっぷりが出てしまったのか、いいのか悪いのか、淡々と進みました(笑)
慎重に鞍をのせていきます。
鞍をのせても、鞍付け前と同じように指示を聞き入れるかの確認をしていきます。
ここでの大きな反応もなし…照宝、つわものです!
持田さんの鞍付けまでのアプローチの組み立ては、とても細かく、かつ解りやすいものでした。
鞍付けをして、人が跨り、脚を入れて指示をして動かす。
そこに至るまでの様々なことを踏まえて、色々なことを想定して馴化であったり、馬への指示を作っていきます。
昔、持田さんによく言われていたこと。
「慎重に丁寧に、かつ大胆に!」
本当に持田さんのスマートな馬とのコミュニケーションは、とても勉強になります。
鞍付けが完了すると、今度はハミに対する馴化と指示を作ります。
ロングレーンを使って、ドライビングをしました。
スムーズに段階を踏むために、はじめはサポートできる人間を前に付けて、ドライビングを進めます。
そして、マウント(鞍に腹ばいになる)して、背中にかかる比重のことであったり、後肢に対する扶助の確認をしていきます。
そして、最終的に跨り、前に進むか、曲がるか、止まるか、後ろに下がるか等を、確認していきました。
話は一度それますが、照宝は講習会後もMK Ranchで引き続きトレーニングを続けています。
そして、先日オーナーさんが照宝の経過を確認しに、はるばる鶴居から照宝に会いに来てくれました。
照宝の品種の特徴であるとか、月齢、照宝自身の持っているモノを考慮して、トレーニングは進めていますが、オーナーさんにも乗って頂いて、現時点での合格点はいただけたようです。
退厩までもう少し固めて、オーナーさんの元へ戻せたらと思っています。
さて、持田さんには新馬調教のデモだけでなく、参加者の皆さまの疑問、質問、悩み等にも答えていただきました。
馬という動物を理解することや、明確な指示であったり…これからの馬との付き合い方にヒントはもらえたのではないでしょうか?
個人的には、「馬が感じているか感じていないかは、動いたか動かなかったかではない。」がガツンときました。
馬は感じているんですよね…とっても。
その感じているモノを、動かす条件付けをして、動かす方向に持っていく。
とても可能性のあるものを、改めて感じさせてもらった言葉でした。
「馬が感じる最小の触感はどこか」というのをリードロープでやりとりしたのも面白かったですね。
馬が何を感じて、何を考えて、人の指示を聞き、人を乗せるのか。
もっともっと、扱う人間が考えて、意識する要素はあるんだと思います。
活かすも殺すも、人間次第…という事なんでしょうかね。
改めて、講習会を快く引き受けて下さった持田さんに感謝すると共に、参加して下さった皆様の馬とのハッピーライフも願っております。
照宝のデモ使用を快諾してくれたオーナー様にも心よりお礼申し上げます!